肩関節周囲炎 (五十肩)

五十肩とは、中年以降に悩まされる肩関節の痛みと、動きの制限(拘縮)を伴う病気の総称です。 肩関節は上腕骨、肩甲骨、鎖骨で構成され、腕を大きく動かすために肩甲骨関節窩が浅く上腕骨頭がルーズな状態になってます。 肩関節とその周辺組織に炎症が起こり、炎症の程度によりさまざまな症状が起こります。 五十肩には特に原因が認められないことも多くありますが、軽い小さな外傷の繰り返しの後に肩の不快感や疼痛が慢性痛となります。 最も多く見られるのが、上腕二頭筋長頭腱炎(下記)です。

上腕二頭筋長頭腱炎

上腕二頭筋長頭腱炎の症状は肩関節前方の痛みに始ります。
上腕二頭筋には、長頭と短頭があり、短頭は肩甲骨の烏口突起に付着し、長頭の方は腱となって肩の前面を通って、上腕骨の結節間溝からにカーブして肩甲骨の関節窩上に付着します。強い力で肘を曲げたり、繰り返す肩の動きで、結節間溝の部分で上腕二頭筋長頭腱に摩擦がおこり、結節間溝で炎症が起こます。その炎症が肩峰下の滑液包に広がることがあります。
一般に発症から約2週間の急性炎症期、その後約6ヵ月間の拘縮期、その後回復期に分けます。
筋肉に急激な負荷がかかることで、筋肉線維に微細な損傷が生じます。この損傷を修復するために、血液成分が集まることでの炎症が起こり、そこで生み出された炎症性の刺激物質(ヒスタミンなど)が筋膜を刺激し、痛みを引き起こします。

急性炎症期
肩の痛みは徐々に強くなります。運動時痛に加えて安静時痛や夜間痛があります。
痛みが強くなるとともに、腕を挙げる可動範囲も狭くなります。急性期は通常1.2ヶ月から数月間続きます。
拘縮期
肩の痛みが軽減し日常生活は少し軽くなります。しかし腕を挙げる可動域の制限はあります。
発症後4~6ヶ月を拘縮期と呼び日常生活動作に不自由を感じます。
回復期
回復期では肩可動域が少しずつ改善してきます。
一般的に通常通りに回復するには6ヶ月から1年、それ以上かかる場合もみられます。

【可動域を改善する運動療法】
拘縮期に入って痛みが弱まったら、肩関節の拘縮予防と可動域改善のために運動療法を開始しましょう。痛みがほとんどなくなる回復期に入ったら、徐々に動きが良くなるのに合わせて、慢性期以上に積極的に肩を動かすようにします。基本的には本人自身が自宅で行えるアイロン体操(振り子運動)や、ラバーバンドを使用し少しづつ可動域を広げる運動などを行います。


その他の肩の痛み
石灰沈着性腱板炎 肩腱板断裂 など

施術について

  • 当院では、急性期(炎症の強い時期)には、はり灸治療を中心に消炎を目的に施術します。
    状態によっては、アームホルダー等で上肢を支えていただきます。
  • 炎症が沈静化してきたら、リハビリとして肩関節周囲、上腕の筋肉のストレッチやマッサージに加え、上腕の前面と後面、胸部、背部のバランスを取ることを目的に、はりと灸を施します。
  • 可動域を改善させる運動方法を指導していきます。

お勧めの施術は

  • 急性炎症期は、患部周辺のみの施術(施術料:3,000円)となります。
  • 拘縮期、回復期は、全身施術(約60分)が適当だと考えます。